中東の民衆革命と欧米の思惑
ジャスミン革命と呼ばれたチュニジアでの民衆運動が中東のアラブ諸国へ波及しています。何れも王政や大統領の長期独裁政権を続けていた国々です。しかし各国の情勢は様々です。チュニジアに於いては若者の失業率が25~30%と高い上に、食料品の物価上昇が貧困が拡大している時に、一青年の警察に対する抗議として焼身自殺した事やウィキリークスによる大統領の蓄財報道などが重なり一気に革命へと進みました。
青年の自殺が地方で起きたにも係わらず。デモが首都チュニスで起きてから僅か4日間でベンアリ大統領が亡命して、23年間続いた政権が崩壊してしまいました。これには現代のIT機器の発達とフェイスブックやツイッター等のSNSやユーチューブやネットによる他国の報道がデモ拡大の時間を短縮しています。それに軍が国民側に付いた事も重要な事です。
チュニジアからエジプトに反政府運動が伝播したのも僅かな時間でした。エジプトでは余りに長い独裁政権(31年)で国民は大統領やその一族等の腐敗は知っていながらもどうにもならない諦めの境地だったようですが、この度は今迄の反体制運動とは異なりました。一部にはムバラク大統領の蓄財は7兆円とも言われています。やはりネットと他国の衛星放送などが早めたと言われています。そしてムバラク政権は僅か2週間足らずで崩壊してしまいました。
エジプトはアラブ諸国の盟主と言われていただけに欧米諸国、特に米英にとってはイスラエルとアラブ諸国との緩衝的役割を持っていたために、取り敢えずは暫定政権が諸外国との取り決めは従来通りとの発言で安堵していますが、一般のエジプト人にとってはイスラエルとの関係には疑問を感じているようです。更にスエズ運河を所有しているエジプトの影響は世界にとっても大きな問題です。
そこへ更にリビアへ飛び火しました。リビアのカダフィー大佐(本人は大統領とは言わず革命の指導者と言っている)の事実上の独裁はアラブ諸国では最長です。そしてデモを押さえ込む為に軍を使い死者が相当出ているようです。国連事務総長も激しく非難していますが本日の段階では変わらない様です。しかし軍や高級官僚の一部に反政権側に立っているようです。
リビアは欧州にとって石油や天然ガスの主要供給国です。これが問題を大きくしています。このように欧米諸国は日頃人権問題には敏感に見えるようですが、自分達の都合で独裁政権を認めていたのです。完全なダブルスタンダードでしょう。アラブ諸国における食料品の価格高騰には米国FRBによるドル札の大量発行が穀物市場に流れているのも原因となっています。
この様にこの度の中東問題には欧米諸国の思惑が大きく係わっています。そしてこの民衆革命で失う人命と言うコストの大きさに注目する必要が有ります。我が国の既存大手メディアは表面上だけの報道で済ませています。


最近のコメント